2016年11月30日水曜日

加藤ポールさんのこと

ほぼ一年振りのブログとなります。

創業期から弊社の役員である加藤順彦ポールさんが
新著「若者よ、アジアのウミガメとなれ 講演録」を出版されました。

若者よ、アジアのウミガメとなれ 講演録



臨場感ある文体なのですらすらと読めます。
加藤さんの投資先としてYOYOの名前もちょろっと書かれていますのでぜひ。

3年前の本とタイトルがほぼ一緒ですが、
内容や情報量はかなり大幅に加筆修正されています。

すでにいろんな方がレビューを書いていらっしゃるので、
ここでは加藤さんとの出会いのきっかけなど。
ちょっと長いです。すみません。



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加藤ポールさんと私は、2012年7月にセブ島で偶然出会いました。

私がたまたまラングリッチという英語学校のお手伝いをしている際に、
大きな声の関西弁で話しているオッサンオジサマがいらっしゃいまして。

「なんかエライ感じの生徒さんが来はったなぁ」

というのが加藤さんに対しての最初の印象でした。(すみません


当時の英語学校の社長に
「弊社の投資家なんですよ、ご紹介しましょうか」
と聞いたとき、
ああ、だから普通の生徒さんと雰囲気が違うんだ、と納得したことを覚えています。

「投資家ってなんだかよくわからないけど、
 せっかくなのでいま考えている事業案とかプレゼンしてみるか」
と軽いノリで加藤さんのお時間をいただきまして挑んだところ、、

「全くダメ」
「ニーズない」
「筋が悪い」
「そもそも新興国では〜」
「そういう慈善事業っぽいやつとか、社会起業家とか、NPOとか、ものすごく嫌い」

といった感じで。
けちょんけちょんに言われました。

さらには、自分が先月までDeNAに在籍していたことを伝えると
「そうなの?僕はDeNAの創業直後に出資していたんだよ。川田さんとは学生時代から親しくて」
と言われ、
(ほんまかいな、うさんくさ。。)
と実は心の中で思っていました。(すみません


ただ、お話の最後に、
「9月にもう一回来るので、そのときにアップデートあったら聞かせてください 」
って言われたんですね。


あ、チャンスだ。
リベンジできる。
次回はギャフンと言わせてやる、って思ったんです。


それから事業案やコンセプトなどを再度検討し、いろいろ調査して、
9月11日にセブ島のアヤラモールにあるスタバで加藤さんにリベンジプレゼンしました。


プレゼン中、加藤さんは前回と全く反応が違い、ずっと黙っている。


たぶん15分くらいだったと思います。

一通り話し終わった後、加藤さんが一言


「面白い」


って言ったんです。

その後、畳み掛けるように、

「で、今後どうするの」
「え、日本に会社作るの?わかってない。全然だめ。絶対にシンガポール」
「いま全部伝える時間ないので、今夜じっくり話そう。時間ある?」
「お金いくら持ってるの?え、それだけ?全然ないじゃん。だめじゃん」
「深田さんが必要であれば、出資と経営に参画します。不要であれば断ってください」
「不要の場合でも、シンガポールでの会社設立は支援できます」
「*▼☆$△✕◆ଫ&◯#ਚঝӨআಊ」

とマシンガントーク。

その夜、韓国料理屋で食事し、飲み、場所を変え、合計6時間くらい。
じっくりとお話いただきました。





ギャフンと言わせるためだけだったので、この展開は完全に想定外。

当時の私は会社員を辞めたばかりでした。

それまでの私の経験といえば、事業やサービスを考えたり、KPI伸ばしたり。
営業やマーケティング、コーポレートまわりなど、幅広くいろいろやってきましたし、
インターネットサービスは大好きで結構わかっているつもりだったのですが、
恥ずかしながら、スタートアップ、というか、お金のことについて全然知りませんでした。

出資?借金?融資じゃない、、よね?担保とか連帯保証とか必要なの?ってレベル。
本当になにもわからなかったので、あわてて賢い友人たちに相談しまくりました。


「加藤さんっていうエンジェル投資家?に出資するって言われたんだけど、、、詐欺かな」
「コテコテの関西弁だし、ダイヤルQ2とか言っているし、やたらとツイート多いし、、」
「シンガポールとか投資とか、なんか要素的にフラグ立ってるよね、、大丈夫かな、、」
「マイノリティで出資するとか、こちら側が都合のいいことばかり言ってきてくるんですけど、、」
「結局は騙され捨てられスッテンテンになるのかしら、、」


って、超不安でLINEしまくったんですが、なぜか賢い友人たちからは


「え、加藤さん超有名だよ。むっちゃ安心できるでしょ。まじ?すげーラッキーだよ」
「個人投資家からお金受けるときは普通反社チェックとかするんだけど、加藤さんは全く問題ないです」
「資本政策全然いいよ、そんなもんでしょ」
「起業のファイナンスよめば?」


と背中を押されまくりました。友人に恵まれました。


その後、ちゃんと勉強し、いろいろ考えた末、はじめてシンガポールに渡りました。
2012年10月10日、加藤さんにこちらから正式に依頼をし、
YOYOの会社設立と同時に取締役に就任いただきました。
(社名が「YOYO」ではなく「YOYO Holdings」となったのも加藤さんのご意見です)

以降、創業からこれまでの間、株主としてもずっと一緒に併走いただいております。


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加藤さんは、本当にビジネス、商売が大好きなんです。

ただ、本当にいつも驚くのですが、加藤さんご自身の利益に全く興味がないんです。

これまで4年間一緒に経営をしてきて、
大事な意思決定をするタイミングが何度もあったのですが、
その際、加藤さんからもいろんなご意見をいただきます。

その多く、特に資本政策まわりなどで相談すると、
(それ、加藤さんだけが損する提案ですよね)
(加藤さん、デメリットしかないじゃん)
っていうイレギュラーな提案をよくされます。(そしていつもマジです)

何度も言われているのは

「ふかちゃん、俺個人の利益なんて会社にとってどうでもいいの、
俺は会社が成功すること、利益を出せること、事業が大きくなることに興味があって、
それにとって一番よい打ち手を考えてやるべきなの。
俺は儲けなくていいの」
「俺は会社にとってのバッファ」
「俺が損して丸く収まるならそうしようよ」


って、真顔で提案してきて、ああこの人まじクレイジーだわ、って何度も思いました。
satisfaction guaranteed社のときも、株価を上げて買い増すっていう根性焼きをしているのですが、
そういうイレギュラーな提案を平気でしてきます。


加藤さんは投資家って印象ありますし、実際に投資/出資をしているのですが、
根っからの商売人で、経営者なんです。

投資家として、出資者としての立場で意見を言われたことは創業から一度もなく、
ずっと共同創業者、経営者として意見を交わしてきました。
私が至らない部分は怒られることもたまにありますが、
それでも、私のことを経営者として信頼してくださっていることをとても感じます。
利己的な考えは皆無で、商売の成功、という1点のみがエネルギーの源泉なんだな、と。

加藤さんとの対話と通じて、いつも、経営者としての心構えや視線などを学ばせていただいています。


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そんな加藤ポールさんの半生と若者に対してのメッセージを描かれた、
若者よ、アジアのウミガメとなれ 講演録 」。

加藤さんがこれまでどんな人生を歩んできたのか。
ご興味を持たれた方は、ぜひご一読いただけると、かなり面白いです。
若い頃からポリシーや哲学が全くぶれておらず、
50歳を目前に控えた今でも全身からパワーとバイタリティが溢れている、すごい方です。
とにかく、元気。元気。元気。ハイテンション。

あえて1点だけ上げるとすれば、

「アジアで起業する若手起業家を応援する」のですが、最近では
アジアが関係ない事業や、おっさん経験豊富な起業家、
を支援しているケースが増えてきており、

アジア x 若手起業家

のお話があまり出てきていないことが残念だったりします。

おそらく、加藤さんが求めるような若者が未だ少ないのでしょう。
そのため、学生向けに何度も講演されたり、こうして本を出版されたりして、
啓蒙活動から行われているんだと思います。


私も加藤さんから出資を受けたときは20代でしたが、もう若手ではなくなりました。


今後、加藤さんのウミガメメッセージが多くの日本の若者に届き、
加藤さんが求めるウミガメ族が多産される時代が来ることを期待しつつ、
私自身もそのウミガメ族である自覚を改めて持ち、
加藤さんに恩を返すためにもしっかりと成果をあげるべく、日々精進したく思います。



2015年12月31日木曜日

2015年のまとめ



普段は全くブログを書いていないのですが、少し前に弊社役員の +Yorihiko Katou さんより催促されたこともありまして、催促内容とは全然異なるのですが、簡単に2015年の振り返りをしようと思います。

■各Qごとの総括:

2015年は本当に激動の年で、個人的に最も学びの大きな1年となった。
失敗したこと、苦しかったことが圧倒的に多かったが、4Q(10月〜12月)で会社が一気に変わり、2016年に向けての手応えを感じることができた。


1Q
インドネシア展開のため、現地スタッフの採用とサービス開始を行った。
サービスも順調に伸びており、資金調達や採用活動の仕込みに集中できた。

2Q
大幅増員。
ベトナムでサービス開始。
KLab社らから資金調達を実施し、オフィスもマカティからBGCにあるKLab Cyscorpions社内へと移転。

3Q
フィリピン最大手キャリア、Smart社の子会社であるVoyager社との提携完了。
一方でサービス改善に奮闘するも成果が出ず、それに応じて組織内部の問題が多発。
意思決定が遅れ、自分自身がボトルネックに。

4Q
組織体制、開発プロセスの大幅な変更を実施。
ネガティブな空気が流れていた社内の空気も驚くほどポジティブに改善。
開発速度が劇的に変わり、KPIも3ヶ月で急成長。
ベトナムの売上も急増したが、それ以上にインドネシアが飛躍的に成長。


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いま振り返ると、特に3Qで自分が悩んでいた時間が、経営者として致命的でした。
自分の中では答えは出ていたのに、最後の最後まで悩んでしまい、重要な決断を下す覚悟を持てなかったことが会社を停滞させました。

メンバーに対してもかなり不安にさせてしまいましたが、結論を伝えたあと、みんな「それでいいと思います」「やったりましょう」と、背中を押してくれたことが、本当に心強く感じました。

フィリピン人、インドネシア人、ベトナム人、日本人と多国籍なチームですが、みんな会社を信じて頑張ってくれました。いまのメンバーに恵まれて本当によかった、と、心から思います。そして、このチームなら、もっとサービスを伸ばすことができる、もっと強いチームをつくることができる、そう確信しています。

みんな、本当にありがとう。


2015年はサービスの品質改善やチーム力の強化に集中していたため我慢の時期が長かったですが、2016年1月からさらにメンバーも増え、4Qの手応えをさらにテコ入れし、2016年は大きな数字を作っていきます。

来期も引き続きよろしくお願いいたします。


2015年5月29日金曜日

【ご報告】資金調達を完了しました



ご無沙汰しています。
フィリピンはそろそろ雨季のシーズンで、少しずつ涼しくなってきました。
(とはいえまだ30度くらいありますが)


以前「1.3億円の資金調達と、これからの話」というタイトルでご報告してから
ちょうど1年が経ちましたが、本日、更なる飛躍のために、
KLab Global社、グリーベンチャーズ社、個人投資家を引受先として
第三者割当増資を行いました。(詳細はこちら

記事にもしていただきました。ありがとうございます!

東南アジア向けモバイル報酬プラットフォーム「PopSlide」のYOYOホールディングスが、KLab Globalやグリーベンチャーズらから数億円を資金調達(The Bridge)

“日本発東南アジア”でリワード広告を展開するYOYOが資金調達、インド進出も視野に(Tech Crunch)

東南アジアを攻めるYOYOがKLAB GLOBAL・グリーベンチャーズから資金調達(TechWave)


前回以上の大きな金額となり、新たなステージに進みます。

我々のメインオフィスはフィリピン・マニラなのですが、
資金調達によって更に事業展開のスピードを上げるだけでなく、
マニラで最も注目を集めているIT企業であるKLab社のサービス開発拠点、
KLab Cyscorpions社からも多くのサポートをいただく予定です。

システム開発のリソース提供といった技術支援、
マニラの中でも一等地であるフォート・ボニファシオ地区へのオフィス移転、
無料朝食&昼食などの様々な福利厚生サービスなどに加え、
KLab Cyscorpions社の代表取締役社長である野口太郎さんに取締役として就任いただき、
豊富なグローバル・ビジネスの経験や長年のフィリピンにおけるマネジメント経験から
多面的に経営支援をいただくことになりました。


1年前は7人だったメンバーも25名まで成長し、
フィリピン、インドネシア、ベトナム、インド、日本と
アジア各国にチームがある状態まで育ちました。

いろんな言語や文化が交じり合っていますが、
みんなと一緒に働いていてとても気持ちがよく、
すごく仲がいいチームだなぁー、と思います。

メンバーと遠く離れていたとしても、
社内ではSlackやSqwiggleがあれば遠隔でも快適なコミュニケーションができますし、
取引先や面接、経営会議などはSkypeを通じて簡単にできます。


インターネットって本当に便利だなと。

そのインターネットがもたらす豊かさや便利さ、楽しさを、
もっと人々に届けたいな、と。


チームYOYOは「モバイルインターネットを新興国の人々に」という想いを持っており、
ミッションに共感いただいた世界中の人々から、たくさん応募いただけるようになりました。

世界の3分の2はまだインターネットにアクセスできない人々で、
40億人以上がオフラインの中、生活しています。

そのオフラインな人々に対してサービスを届けたい!って思って動いているチームは、
YOYOのPopSlide以外だと、
Googleが行っているloon projectか、
マーク・ザッカーバーグのinternet.orgか、
だと思っていて、
彼らと私たちは問題を解決するアプローチこそ違えど、
世界中の人々の暮らしを豊かにしていきたい、という思いは同じだと思っており、
これからも一層サービスを拡大していきたいと思っています。


ちょうど本日開催されていたGoogle I/O 2015でも、
新興国向けに多くの改善が発表されていました。
オフライン環境でもGoogle Mapが使いやすくなったり、YouTubeが楽しめたり、
2G環境でも快適にブラウジングできるようになったり。

新興国のモバイル領域は、テクノロジー、ビジネス、の両面で、
まだまだ大きなチャレンジがたくさんあります。

現地特有の技術的な課題は、ひとくせもふたくせもある状態で、
難関な問題に挑戦したいエンジニアを、国籍問わず大募集しております。

インターネットを自由に使える喜びを世界中の人々に届けていきましょう!

YOYOは今年がまさに第二創業期。
多くの人からのご連絡をお待ちしています!







2015年2月18日水曜日

【ご報告】インドネシアで本格稼働開始しました!



本日、プレスリリースも配信したのですが、
モバイルインターネット無料化アプリ「PopSlide」、
インドネシアでサービス開始しました!

他にもいろいろとアップデートが重なりましたので、こちらでもご報告します。


PopSlide、インドネシアでサービス開始しました


今年頭から本格的に準備を始めていたインドネシア展開ですが、
本日サービス公開の準備が整い、Google Playに配信開始することができました。
フィリピンで公開してから半年間、細かいチューニングを続けてきていたこともあり、
ユーザーの反応も非常によく、フィリピン以上の手応えを感じています。

今後はさらに展開速度を広げるべく、
東南アジア・南アジアの新興国を攻めていきたいと思います。
http://www.popslide.me/


弊社サービスの会員数が100万人を突破しました

(映画)ソーシャル・ネットワークより

CandyとPopSlideの会員数が100万人という大台に到達していました。
映画のようにお祝いできたらよかったのですが、タイミングを逃しました。
今後はPopSlideインドネシアも加わり、より早く成長していくと思います。



会社ページを新しくしました



http://yoyo-holdings.com/

弊社は広報担当者もおらず、ホームページの更新も全くしていなかったのですが、
このタイミングでようやくPopSlideの情報など追加することができました!
ちょっとずつ改修・更新もしていきます!



モバイルインターネットを新興国の人々に、というビジョンのもと、
引き続きモバイル通信料をユーザーに提供し続けていきたいと思います。



2015年1月1日木曜日

2014年に注目を集めたフィリピンスタートアップのまとめ

どこにニーズあるの、、、というテーマですが、
フィリピン・マニラでスタートアップしている立場にいますので、
日本語でまとめてみたいと思います。

※本当は東南アジア新興国の主要なスタートアップ情報をまとめようとしたのですが、
想像以上に時間がかかりそうだったので、フィリピンだけ。
ASEAN全体については、East Venturesの@obnty 君がブログでまとめてくれると期待しています。
※情報ソースはほとんどTechinAsiaです。

IPOしたスタートアップ
Xurpas


直近で話題になったのは、マニラベースのモバイルコンテンツ(※主にゲーム)を作っているXurpas。

2014年12月にIPOし、その数週間後にシンガポールベースのAltitude Games Pte. Ltdを買収するなど、積極的に動いています。
そもそもフィリピンの株式市場(PSE)に上場している企業数が250社程度しかない中で、
IT企業のXurpasが上場した、ということもあり、こちらの界隈では結構話題になりました。
創業から10年以上、VCからの調達を実施せずのIPO。売上は2013年時点で$4.2Mとのこと。

Straight to IPO: How Philippine tech company Xurpas grew without venture capital
Philippine tech company Xurpas sizzles in market debut
Xurpas buys into Singaporean IT firm
Xurpas to raise P1.4B funds through IPO

資金調達したスタートアップ

ZAP Group


NFCタグを活用し、飲食店などでキャッシュバックを受けることができるZap。
既にKickstart Venturesからシードラウンドを調達済みでしたが、
今年になってさらにSiemer Ventures, Seawood Capitalから追加調達を行いました。既存のKickstart Venturesも追加出資し、合計$850Kの調達。
昨年、実際に使おうとしたら、会員登録でエラーが起きて使えませんでした。
なんでだろう。。

Zap’s ambitious plan to transform retail rewards in the Philippines
Consumer rewards service ZAP secures $850,000 funding, set to expand across Southeast Asia in 2015



Ayannah


モバイル決済、送金サービスのSendahを運営するAyannah。
2013年から合計$3.5M集めているので、フィリピンの中ではかなり巨額を集めているな、という印象。
投資家陣は、IMJ Investment Partners、Beenos、Golden Gate Ventures、GREE Ventures、その他、といった構成。
IMJ、Beenos(旧ネットプライス)、GREEと、日系色が強い印象。
※事業内容的にGMOベンチャーパートナーズが入っていそうだけどな、、と思ったり。

Filipino Gift-remittance Startup Ayannah Gets $1M Angel Round(2013年)
Ayannah Raises $1M To Serve The Philippines’ Rapidly Growing Remittance Market(2014年)
Gree Ventures joins $1.5M fundraising round for Philippine remittance startup(2014年)



ZipMatch


2回目のシードラウンドを2014年8月にクローズした、不動産マーケットプレイスのZipMatch。
今回の調達額は$550K。合計で$1Mの調達をしています。

新規出資したのが、Beenos (旧ネットプライス)、Alps Ventures。
既存投資家による追加出資が、500 StartupsとIMJ Investment Partners。
3月に行われたEchelon Philippines 2014のファイナリストで、
登壇しているスタートアップの中では一番数字が出ていたような印象がありました。
フィリピンの不動産投資もかなり盛り上がっているので、狙っているマーケットは魅力的。

Philippine real estate marketplace can afford a bigger apartment with latest funding round
How one startup raised money on a beach and how you can, too



FourEyes


9月にKickstart Ventures、Wavemaker Partner、Future Now Venturesたちから$350K調達した、
オンラインメガネ販売のFourEyes。OhMyGlassesのフィリピン版です。
彼らもEchelon Philippines 2014のファイナリストしており、2位を受賞していました。
このビジネスはちょっとフィリピンには早すぎるのでは、と思っていたら、シンガポール市場でも11月からサービス開始したようです。

Prescription glasses from S$88? You can now buy them online in Singapore
Four Eyes aims to be Philippines’ Warby Parker, sells cheap prescriptive eyewear online
Four Eyes eyes expansion with $350,000 funding round



Ritmo Learning Lab


Ritmo Learning Labは、音楽を通じたキッズ向け教育アプリ「JoomaJam」を展開しています。
2回目のシードラウンドとして、Kickstart VenturesとProudcloudから$60Kを調達したようです。
ここもEchelon Philippines2014のファイナリスト。

Joomajam is an interactive app that lets bands and singers help in children’s learning



mClinica


フィリピンのモバイル✕ヘルスケア領域で注目されているのが、mClinica。
モバイルを通じて薬局や薬のディストリビューター、患者さんを繋いでいくサービス。
500 Startups、IMJ Investment Partners、Kickstart Venturesから調達。金額は非公開。
市場がかなり大きく、ローカルのネットワークを作っていくには参入障壁が非常に高いため、かなり有望なスタートアップだと思う。
新興国特有の課題や市場構造にあわせたビジネスで、個人的にとても興味深い。
薬局ネットワークはすでに1400を超えており、2000万人以上の顧客と接触できる規模にあるという。
ハーバード大学を卒業した創業者は、ロシュ、ジョンソンアンドジョンソン、ファイザーといったキャリアを進み、起業に至るというピカピカのキャリア。
フィリピンからシンガポールに本社を映し、
今後はインドネシア、ベトナム、タイといった国にも展開予定。

This Harvard graduate’s startup is making a difference in Philippine health care



CashCashPinoy


フィリピン版のグルーポンであるCashCashPinoyが、
2014年11月にシンガポール拠点のHera Capitalから$2Mの調達をしました。
2010年に$4Mの調達をしていたので、フィリピンの中ではかなりキャッシュリッチなスタートアップの一つ。
現在、150万人の会員を有し、平均月間取引数は3.5万回。

CashCashPinoy gets $2M funding for daily deals battle



DragonPay


決済領域に集中して投資をしているGMO Global Payment Fundが2014年11月に出資。
金額は非公表。
EC化がまだまだ進んでいない状態なので、現時点の決済市場はそれほど大きくないと思いますが、
今後は一気に大きくなると思います。

Japanese epayment giant sinks series A funding into Philippines’ Dragonpay
10 Philippine online payment methods for consumers and merchants



PayrollHero


勤怠管理・給与支払いサービスのPayroll Hero。
マニラに拠点がありますが、創業者はカナダ人。
弊社含め、多くのフィリピンスタートアップも導入しています。
Payroll Heroは2013年に500 startupsから$1Mの資金調達をしているので2014年まとめって感じではないのですが、今年になってフィリピンのファミリーマートなど大手企業にどんどん導入しているようで、着実に成長しているイメージ。

Payroll Hero gets USD 1M from 500 Startups, Hootsuite CEO, and others
PayrollHero bags deal with FamilyMart, eyes more big clients by year’s end



(追記)
YOYO Holdings


自薦ですみません。弊社です。
2014年5月に、GREE Ventures, CyberAgent Ventures, Incubate Fundから$1.3Mを調達。
新興国のアンドロイド端末にロックスクリーン広告を配信し、
スライドして解除するとモバイル通信料をチャージすることができる。
Google playに公開後、Lifestyleカテゴリで30日間連続No.1。





上記以外にもビットコインを取り扱うCoins.phや、
Payroll Heroのように2013年に資金調達したLenddo(調達額$6M)、
フィリピンスタートアップ界の雄であるKalibrrなど気になる企業はたくさんありますが、
まず代表的なものをまとめました。

フィリピンのことばかり書いてもニーズないので、今後は他の東南アジアのスタートアップについてもまとめていきます。


(番外)Rocket Internet

ベルリンにあるロケットインターネット本社入り口にて
ドイツ・ベルリンをベースとしている巨人企業のロケットインターネットですが、
2014年にフィリピン最大の通信企業、PLDT(※日本でいうNTT)から
$445Mの巨額出資を受けました。(その後10月にIPO)
ロケットインターネットはLazada, ZaloraといったEC事業をASEAN各国で展開しつつ、
EASY TAXI(タクシー配車)、food panda(デリバリー)、Lamudi(不動産)、、なども展開しており、それぞれの調達額も巨額。

ロケットインターネットについては情報多すぎるので、このくらいで。

PLDT Invests $445M In Rocket Internet To Develop Online Payment Services For Emerging Markets


2014年12月31日水曜日

2014年のまとめ




年末なので2014年を振り返ると、
この一年間でようやく会社として前進することができた、という手応えを感じつつも、
自分自身が大きな壁にぶつかり、課題に向き合う毎日だったな、と思います。


表向きの成果としては、

2014年2月 「Candy」をインドネシア、タイへ展開開始
2014年3月 Echelon Philippines 2014で優勝
2014年5月 GREE Ventures, CyberAgent Ventures, IncubateFundからの資金調達
2014年6月 Echelon 2014(シンガポール本選)でTOP10入賞
2014年6月 Rising Expo 2014 in ジャカルタに登壇(入賞はできず)
2014年8月 新事業「PopSlide」をGoogle play で配信開始(※フィリピン限定)
2014年10月 YOYO設立2周年!(成果ちゃうけど)
2014年12月 Infinity Ventures Summit 2014 Fall Kyoto - LaunchPadで準優勝

と、歩みは遅くも僕らの想いを少しずつ形にすることができたかなと。


一方、組織も拡大することで、経営者として多くの壁にぶつかりました。
特に組織づくりの大切さと難しさについて、たくさん考えた一年でした。

自分の拙い英語力の問題もあると思いますが、
ちゃんと自分の考えを深く共有できていなかったり、
逆に自分がスタッフの考えをしっかりと理解できていないまま先に進んでしまったり。

最初は「国籍や文化が違うのでコミュニケーション難易度高いなー」と思っていたのですが、
実際は自分自身が組織づくりについての重要度について理解できていなかっただけで、
結局自分の努力が足りなかったことが原因なんだと反省しました。
たぶん日本で起業していても、同じような課題にぶつかっていたと思います。


採用活動から学んだことも多くありました。

たった1人の存在によってチーム全体のパフォーマンスが劇的に下がり、
その問題を解決するのに多くの労力を使うことになった、ということもあれば、
逆に思い切って採用した1人の存在によって業績が劇的に改善し、
「実は神様では?」と感じるようなこともありました。

同じプロダクトを扱っているハズなのに、
それを動かすメンバーによってこんなにも変わった世界になるんだ、
という体験ができたのは、自分にとってとても大きな学びになりました。


また、PR活動も(実は)すごく大切なんだっていうことを学んだりしました。

スタートアップはプロダクトが全てだと思っていたので(いまもそう思っているけど)、
それ以外にあまり興味がなかったんです。
そのため、よくある「弊社のサービスすごいんです!」「最高のメンバーが集まっています!」とかPRするのってものすごく表面的だし、
そういうことに力を入れる行為自体をダサイとすら思っていたのですけど、
そういったことをちゃんと伝えていかないと営業も採用もできないっていう当たり前のことに気がついて。(もちろん中身がないとダメですけど)


現在、YOYOでは積極採用中なのですが、日本人の採用においては
「そもそも東南アジアでスタートアップ、という選択肢を考えたことがなかった」
「ていうかYOYOってなに?」
「フィリピンってジャングルみたいなところ?」
という状態だったので、
こりゃまずい、もっと知ってもらわないと話にならんわ!と思い直し、
タイミングがちょうどよかったIVSに参加しました。
結果、IVSのLaunchPadに出たあとはいろんな人からご連絡いただいております。
PRほんと大事だなと。
これから、情報発信もちゃんとしていこうと思います。


2014年の途中まで、自分はユーザーのこと、プロダクトのことばかりを考え、
ビジョンを語って戦略に落としてお金を集め、KPIとにらめっこして、、といったことをしてきましたが、
やっぱり一番大事なことはそれを実現できる「強いチームを作ること」に尽きるんだなと、
多くの経営者が言っている部分をようやく深く理解できた、そんな一年でした。



そんなわけで、現在YOYOでは幹部候補メンバーを探しています!

急成長している東南アジアのモバイル市場に興味がある方、
ご連絡はこちらからお気軽にどうぞ!

なかなかマニラのオフィスに遊びに来て、とはいかないので、
なにか会社の雰囲気を伝える方法あるかなーって考えた結果、
社内向けの合宿動画を公開してみます。(メンバーに怒られたら消すかも)。
興味がある方、ご連絡ください!






「モバイルインターネットを新興国の人々へ」

この夢を実現するため、2015年も全力疾走していきます。

みなさま、よいお年を!


深田

2014年12月7日日曜日

新興国のモバイルインターネットを無料化する「PopSlide」、Launch Padで準優勝しました! #IVS






Infinity Ventures Summit 2014 Fall Kyotoで開催されるLaunchPadの挑戦権を得たので、一時的にマニラから日本に戻ってきていました。

参加するからには絶対に優勝したい、と思っていたのですが、準優勝となり、目標未達。。
こういうのは1位じゃなきゃダメなんです。勝負事はどんなものでもWinner Takes Allだと思っているし、1位と2位の間は天地の開きが出てくるものなので、本当に本当に悔しい。数日が経ち、その悔しさがどんどん大きくなってきています。ただの負けず嫌いなのですが。フィリピン・マニラからUst経由で応援してくれている仲間たち、東南アジアで起業している仲間たちのためにも、やはりどうしても勝ちたかった。同じくフィリピンからIVSに参加していた@suniさんが悔し泣きしているのを見て、ちくしょう、と。自分が出せる100%は6分間のプレゼンテーションに置いてきたけど、それでも一歩足りなかった。悔しい。



ただ、プレゼン後、非常に多くの方から「優勝だと思ったよ!」「すごくよかった!」といったお言葉をいただきまして、僕らが実現したい「モバイルインターネットを新興国の人々に」という世界感に共感いただけたことは本当に嬉しかった。


なんとけんすうさんも!!

審査員の皆様からは「ハイパーネットの再来!」と話題をいただきまして、かなり盛り上がっていただけたようです。YOYOが展開する「Candy」「PopSlide」は、広告モデルで人々のインターネット接続料金を無料にします。ご察しの通り、1996年にハイパーネット社が展開したHotCafeのコンセプトと全く同じ構造です。「社長失格」はバイブルです。ただ、当時とは環境が全く異なることや、「新興国 ✕ スマホ」領域で展開することなど、みなさんから高い期待をいただけました。そういう部分などが伝えることができたことは、よかった。今後は期待に応えていけるよう、圧倒的な結果に繋げたい。




プレゼンテーションを振り返って





とにかく自分の全てを6分間で伝えたかったので、何度も検討を重ね、前日にスライドの半分を差し替えることにしました。もっとわかりやすく、ワクワクするようなビジョンを伝えることに対して最後の最後まで考えました。

6分間ジャストで終えるため、何度も何度も練習しましたし、徹夜で準備しました。かなり早口の6分間になってしまったのですが、なんとか持ち時間全部を使い切り、東南アジアのモバイルマーケットについて最後まで語ることができたので、十分に練習してよかったです。


以下のアーカイブ、55分30秒から、当日のプレゼンが見れます。
http://bizcast.bz/20233



最後になりましたが、ココナラの新明さん、スペースマーケットの重松さん、フォークウェルの池見さんには、事前にプレゼンテーションのフィードバックをいただいたり、LaunchPadに対しての心構えを教えていただいたりし、こうして結果に繋げることができました。本当にありがとうございました。また、貴重な機会を提供いただきましたIVSの小林さん、田中さん、小野さん、そして運営スタッフの皆様、ありがとうございました!



日本のインターネット黎明期がよくわかる本です。どちらもおすすめ!


   


ネット起業!はこちらから無料で読むこともできます。